JLPTのN2とN3を解いてみました。
今回は久々にお勉強絡みのお話を。
日本語教師になる勉強を始め、あっという間に1年近く経ってしまいました。
当面の目標について先ずは勝手に宣言しておこうと思います。
Bはいきなりハードルが高い(一部では低いという意見もあります)にしても、
自分のキャリアを考えればムリな目標ではないかなと思ってます。
ただし、目標達成しても『燃え尽き症候群』か、また『踏み台にしてやるグセ』
…が、早々に発現してしまわぬよう(^-^;(墓穴)、心に工夫も施しておきたいところ。
そういうわけで、この度は『日本語非母語話者の気持ち』に
少しでも近づけるようにJLPTという試験問題集に手を出してみました。
JLPTのレベルは5つ!
JLPT(Japanese Language Proficiency Test)とは日本語能力試験のことで、
巷では『日能試(にちのうし)』とも呼ばれています。
非母語話者で日本語能力習得に意欲的な人であれば、未成年者でも受験できます。
実はコレ、母語話者は受験することができないのです。
じゃあ、何でこの度手に入れることができたのか?
ふつうに本屋で売ってたからです。
在日留学生も、本屋で買い物くらいしますものね。
身銭を切って買っちゃいました。…で、どんな試験なんだろ?
まずは試験形式は私が大キライなマーク式です。
読解・文法・聴解と、各分野でレベル別に50〜75問ほど解くものです。
そしてこのJLPT、英検などと同じくレベル分けされています。
全部書いちゃうのは正直めんどくさいので、ザックリと。
N1:最高レベル。母語話者と遜色なく会話ができる。論議に深みも出せる。
N2:できる人扱いになってくる。長い論文も大丈夫。話を広げることもできる。
N3:自然に近い会話でもほぼほぼOK。新聞の大意くらいは掴める。
N4:ゆっくり話や易しい言い換えがあれば何とか。基本文を読める。
N5:『私は○○です』的な定型文や定型句なら読める。短いゆっくり会話ならわかる。
↑↑↑…と、これらはあくまで私がこの試験問題集を解いてみた所感ですので、
正式に明示されているものはコチラをご参考下さい。
冒頭どおり、今回私が試し解きしたのはN2とN3レベルです。
意外に母語話者が解いても、難しい!
逃げるわけではないのですが、私は『語学のエキスパート』と自称していません。
これは『語学に極限域の能力はない』と考える信条と、
単に『読み聴きが苦手』ということが原因なのですが、一応プライドは持ってますよ(^-^;
『日能試なんて、母語話者が解いたら楽勝だろー!』
白状しますと、実はそんな気持ちで取り組んでいました。
ところがこの試験、N3はまだマシにしろ、
N2から『えっ?コレって日本人でも難しくね?』という内容が盛り沢山。
…というより、自分の読解力の乏しさに情けなさを感じてくるのです。
直接掲載は著作権上マズいので、例題を考えてきました。
こんなカンジです。
問題:下線部の漢字を選べ!ど〜れだ?
『せっかくのエン談を断り、婚期を逃した気がする。』
A:緑 B:縁 C:録
上の問題はカンタン過ぎたかもしれませんが、
語彙分野は、これに毛が生えたような問題がわんさか。
さらには
問題:言葉遣いで適当なのはど〜れだ?
『明日、田中先生が私のところへ_____。
A:まいります B:伺います C:いらっしゃいます
…のような、待遇表現を問う問題まで。((;゚Д゚))ガクブル
あと『会話聴き取り』問題でやたら気になるのが、『言い淀み』。
A:『最近できたカフェに行かない?』
B:『あっ、いいね〜!行きたいと思ってたの!』
A:『じゃあ、決まりね!』
B:『あ…行きたいけど、午後一でミーティングがあって…。』
A:『そう…じゃあ、終わったら声を掛けてね!』
B:『行けるか分からないけど、必ず連絡するね。』
問題:今聴こえた会話内容に合うものを選んでね!
1:BさんはAさんとカフェに行く。
2:Bさんは、ミーティングのあとAさんに連絡する。
3:BさんはAさんのいるカフェに連絡する。
4:Bさんはカフェに行きたいと思っていない。
…とまぁ、何ともうざったくややこしい内容です。
(カフェくらいなら、行くか行かないかハッキリしやがれ!)
母語話者として、危機感を感じました。
N2とN3を解いたところ、共通して感じたのは、
『知識』じゃなくて『運用能力』を求めているな、という点です。
そして会話の聴き取りでは、
お誘いに対して『(・∀・)イイネ!!』からの『や でもぉ〜…』のような談話の流れ。
これが必ずあります。
…で、またまた白状しますが、実は私この日能試で3問ほどミスりました。
母語話者にも関わらず、です(ヤマ勘で正答してた問題もありました。)。
読み物にしたって、ヒューリスティック(哲学心理的)な、
とてもレベルが高い内容で『こんなん読ませてるんか!?』と正直ビックリ。
そういうわけで、日能試を受けてみた感想。
危機感。 コレに尽きます。
ひょっとすると、日本語学習者の外国人たちの方が語彙・読解力あるんじゃない?
こりゃあ、うかうかナンセンスな流行語ばっかりに振り回されちゃマズイですよ。
『そだね〜(既に古い?)。』
今向き合ってることに、かなり未熟さを感じた試みでした。
母語話者の皆さん、日能試は難しいですよ!
【追記】
(少し長いです。)
昔TOEICを勉強していた時期に、こんな話を風のウワサで聞いたことがあります。
『TOEICは英語母語話者でも(満点990点中)500点台の人はいる。』
にわかに信じられませんでしたが、この度日能試を解いてみて合点がいきました。
母語話者の特権なんて熟達度が上がるほど、無いんです。
確かに初中級に至ってはある程度母語話者であることは有利になります。
しかし、レベル(熟達度)が上がれば上がるほどそんなのはオマケ扱いです。
そして、世間をよ〜く見渡してみれば『語学・教養の極限域』だって、
人によれば『オマケ扱い』だったりするわけです。これがカラクリ。
例えば海外でワーキングビザがないと働けないってことを知らない社長。
そんなのも世の中にいるくらいなので、『教養』などオマケ扱いなのが分かります。
(そんなのが社長ってあたりは大問題なので、必ずツケが回る。)
しかし一方では語彙力や心理学まで極めて、
ダラダラ長ったらしい文章と大衆扇動のテクニックで詐欺を図る。
そんな人間だってネット上にわんさかいます。(今だってやってます。)
語学・教養の『極限域』はそんな『危うさ』があるんだって、私は考えます。
知識を運用さえできりゃ、おバカをいっぱい騙すことができる。これが危うさ。
カラクリと危うさ。この狭間で私たちは語学を操って行動しなきゃいけない。
貴重なお時間のなか、
ここまで付き合ってくださった読者のあなたはどうでしょう?
カラクリ利用して『とにかくやっちまえ!』でしょうか。
それとも賢さ極めて、上から目線でおバカを操る危うさを選択しますか?
まだ新米にもなっていない、日本語教師を目指す凡人の戯言でした。
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