学生時代は色々な先生のもとで学びました。
一人印象が強かった方がいて、その人のお話です。

『情報を制する者』とは誰のことでしょうか？

大学の講義は『卒業に必要な単位数』さえあれば…
という目的で、ゆるい先生の講義を希望します。

私も十分な単位数がありましたので、
あとは興味のある講義を取るかバイトで小遣い稼ぎをするか
選択する余裕があったほどでした。

ある日
私はある先生の講義を受けることにしました。

講義初日

何も知らずに教室に入った私は驚きました。
教室には先生一人しかいなかったのです。

もはやマンツーマン講義です。
逆にその先生には申し訳なかったです苦笑。
それでも前期（4月〜8月）分先生は私一人のために時間を割いて下さいました。

良く言えばまじめ
悪く言えば変人の様な人でした。

あとで友人に聞けばその先生、
講義内容は役立つものの、

課題がとても多いうえ、講義日以外も呼び出される
というウワサがあり、学生からは避けられていたそうです。

ただ、私は『講義内容が役立つ』と言う点が気になって、
その先生の講義を続けて受けることにしました。
若いこともありそのまま勢いでやれたのでしょう。

事実その先生の講義内容はとても役に立つものでした。
確かに課題も毎日やらないと追いつかないほどありましたが、
それも自分のためだと割り切りあまりストレスなくやれたのです。
その講義のおかげで、自分の論文も良いものになりました。

しかもオマケに学会賞までゲットできました。

受講を続けていると、だんだんその先生の人となりが見えてきます。

まずその先生には『教室は広すぎるから明日から私の部屋に来なさい。』
と言ってくださったのでそうするところ、

部屋にはロックやクラシック音楽が流れ面白いインテリアもあり、
何だか『自由』を感じたのです。
その講義が続いたのもそのおかげだったのかもしれません。

講義内容自体はシンプルそのもので解りやすかったです。
勉強以外で役立つ考えや価値観を教えてくれました。

その先生が口グセでおっしゃっていたことが、

『これからの時代は情報を制する者が勝つんだよ。』

その言葉をそっくり体現するような講義内容で、
何でもパソコンでサクッと調べてあっさり解決していました。

何かと博学であることを尊敬する私たちですが、
何をもって『博学』とその人の事を決めるのでしょう？

相談もしていないのにその先生は色んなことを聞かせてくれました。

まるで哲学でも勉強してるようでした。
いつも講義の後半あたりからはただの談笑だったような気がします。

今だから考えつくのですが、
その先生が敬遠されていた理由はまさにその『人となり』でしょう。

まっすぐすぎる程の熱意と当事では進んでいた考え方が、
遊ぶことで頭がいっぱいの学生には暑苦しく、
学会のお偉いさん方にも脅威だったのだと思います。

しかし、ハッキリと言えることは、
何を言っても、何をやっても
何を言われても、何をされても…。

ビクともしないことをこの人は自由にやっているのだな、
と言うことです。

自由とはブレない心・変化に対応する進化
両方なのだとその先生からは教わりました。
二度と忘れないでしょう。

そして今この時代、
先生がおっしゃられたとおりの社会が実現しました。

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