ルームメイトの韓国人に感謝したい話。
はじめて海外を訪れたのは27のときでした。
普通の人よりはたぶん遅い方だと思っています。
フィリピンはマニラの空港に初めて着いた瞬間、
4月にも関わらずカラっとした暑さを感じました。
毎度おなじみになったこの到着直後の夕焼けは、
私のなかでは数少ない癒しの一つです。
暑苦しい外とは打って変り、移動中のバスは
『キンキンに冷えてやがるよぉ!』
…というくらい(^-^; 冷房が効いていまして、
早速現地の寒暖差には悩まされたものです。
留学校に到着したのは夜中の0時。
すでに先輩生さんたちも寝静まっています。
コソコソと自分の手荷物をトランクケースから取り出していると、
突然部屋に入ってきた男性がひとり、
『あ!しんにゅうせい?!』
…と声を掛けてきたので、
(あ〜、日本人がルームメイトでよかったなぁ!)
と、当時は英語が話せなかった私は安心しきっていたのですが、
すぐさまその彼は、こちらも流ちょうな英語で
『Good eve sir, my name is -----,and then..(blah blah blah…)』
と、色々説明してくれたのでビックリしました。
(だけど、え…?この人日本人じゃないのかな?)
そう思って『アーントユージャパニーズ?』と
拙い英語で尋ねてみると、返ってきた答えはNo。
ルームメイトになる彼は、韓国人だったのです。
『この留学を通じて英語よりも日本語の方を勉強している。』
これが彼の日本語が日本人かと勘違いしてしまうほどに
流ちょうな理由でした。
プライバシーにちょっとだけ触れさせていただくと、
後々彼には好きな日本人女性がいたこともわかり、
『なるほどね。』と納得できたことでした。
初めは別国籍のルームメイトと共同生活なんて想像できなかったので、
ここで数か月間もやっていけるのか不安だったのですが、
拙い英語で精いっぱい彼と話しているうちに、
相手はとても親日的(若干アニメオタクっぽい)でいてくれて、
私にとってはとてもラッキーなルームメイトだったことが解りました。
なぜラッキーと思ったのかと言いますと、
渡航先の生活で日本語をシャットアウトできるきっかけになったからです。
留学校となれば、英語を勉強するストレスから逃れようとして、
どうしてもそこにいる日本人同士で日本人小村を形成しがちです。
いつの間にか英語を使うのが授業とテストのときだけになってしまい、
思うような成果を得ることができなかったというのは、よく聞く話です。
そんなルームメイトのJ(仮)君(年下だったので君付けさせて貰います。)。
彼の姿勢を見習って、自分も少しだけ韓国語を教わることにしました。
特に覚えているのは、この二つです。
イップダイップンダ=かわいい・美人
チャルセンギョッタ=かっこいい
…恋愛系の話題が多かったような気がします。
韓国人男性が、恋愛に積極的で女性を大切にするのは本当だと、
このときジックリJ君と話してみて確かに感じたことでした。
日本人の自分、大丈夫かな?
そうJ君の態度を見て危機感と情けなさを感じたことは
今でも鮮明に覚えています。
J君が先に留学校を卒業してしまう一か月前。
私たちは月一のイベントで開催される『アクティビティ』に参加しました。
内容は、ある邦楽をJ君が日本語で、私が韓国語で交互に歌う、
というものでした。(歌詞が覚えられず大変でした!)
曲名は、韓国語で『ヌヌルカムコ』
かなり有名なので、気付く人は気付くかも。
そんなJ君。今は母国で就職して新しい人生を歩んでいるようです。
ときどきMessengerを通じて、こんなメッセージをくれます。
『またいっしょに、うたいましょう。このアプリで!』
どうやらインターネットを通じてデュエットができるアプリを使い、
Youtubeに投稿したいということのようです(^-^;
(私は顔出しシャイなので、やんわり断りました。)
それでもただ、感謝です。
私が日本だけでアタフタしなくて良くなったのは、
狭い部屋でJ君が私の国境壁を壊してくれたからなんだと思っています。
私は日本人ではなく、アジア人なんだと自覚できれば、
見えるものも感じることができるものも大きく変わります。
留学して良かった(*^-^*)
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